「プレコンセプションケア」を知っていますか?
プレコンセプションケアとは
プレコンセプションケアは直訳すると、「宿る前のケア」となり、妊娠前の女性に対するケアのことを指します。現在では、若い女性だけでなくカップルを対象として、将来の妊娠・出産のための健康管理を行うことを定義としています。WHO(世界保健機関)や国も、プレコンセプションケアを広める活動をしています。
なぜプレコンセプションケアが大切なのでしょうか?
ライフプランは人生の段階に応じて変化していくものです。様々な選択肢があるなか、自分の人生として納得のいく選択ができるよう、早いうちから妊娠も含めた健康に関する正しい知識を持つことが大切です。
プレコンセプションケアの目的
②将来にわたってより健康になってもらうこと
③健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちの健康にも寄与すること
妊娠前から気を付けたい健康管理
①適正体重を守る
やせ(BMI18.5未満)は低出生体重児等の要因になり、肥満は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群等につながります。適正範囲(BMI18.5~24.9)に収まるように妊娠前に体重をコントロールすることが大切です。
※BMI(体格指数)とは、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の値。肥満や低体重(やせ)の判定に用いる指数。
②食事の栄養バランスを整える
若い女性は、たんぱく質、カルシウム、食物繊維等が不足して、「低栄養」の傾向があります。1日3食きちんと摂り、できるだけ栄養バランスが整うように心がけましょう。また、葉酸(ようさん)も摂取するよう心がけましょう。葉酸は胎児の細胞分化に不可欠なビタミンで、ブロッコリー、ほうれん草、納豆などに多く含まれています。
③質のよい睡眠をとる
質のよい十分な睡眠は、ホルモンバランスを整えます。また、日中の疲労を回復させるためにも睡眠はとても重要です。一般的に、個人差はありますが、1日の睡眠時間は6~8時間が理想的だといわれています。妊娠前から、生活リズムを整えて、疲労をためないようにしましょう。
④適度に運動する
若い女性は運動から遠ざかってしまい、体力が低下しがちです。1週間あたりの運動量は150分ほどが目安とされています。運動不足の人は今よりも毎日10分長く歩くなど、身体活動量を少しでも増やしてみましょう。
⑤禁煙する・受動喫煙を避ける
喫煙は流産や早産、低出生体重児などのリスクを高めます。今、喫煙している女性は妊娠する前に、完全に禁煙しましょう。また、受動喫煙も健康に影響を及ぼすので、パートナーや周囲の人も禁煙するとベストです。妊婦の前で喫煙することはやめましょう。
⑥アルコールは控えめに
妊娠している女性の飲酒は、流産、早産、胎児性アルコール症候群などの危険性が高まります。全妊娠期間を通して、飲酒は控えましょう。アルコールは母乳に移行することから、授乳中もお酒は控えましょう。まだ妊娠を考えていない人も、飲みすぎは心身ともに悪影響を及ぼします。適度な飲酒を心がけましょう。
⑦ストレスを溜め込まない
過度なストレスはホルモンバランスの乱れや生理不順などの原因になり、妊娠しにくくなる可能性があります。ストレスを溜め込まないように、自分なりの発散方法を見つけておくことが大切です。