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No.17 ポーランド語:歴史と基本的な情報

ポーランド語:歴史と基本的な情報

今回は少しポーランド語、つまりポーランド語で – JĘZYK POLSKI「イェンズィク・ポルスキ」を紹介したいと思います。

ポーランド語はインド・ヨーロッパ語族スラヴ語派の西スラヴ語に属する言葉です。
スラヴ語派は、以下の三つのグループに分けられています
‐西スラヴ語(例えばポーランド語、スロバキア語)、
‐東スラヴ語(例えばロシア語)
‐南スラヴ語(例えばセルビア語)。
ポーランド語に一番近い言語はスロバキア語とチェコ語だと考えられます。豊かな語彙のポーランド語が過去にはラテン語とフランス語、ドイツ語やロシア語の影響を受けたこともあり、それぞれの名残が見られますが、現在は英語からの外来語が増加しています。

ポーランド語の語源について話すと、1000年を超える歴史があるはずです。遠い昔、現在のポーランドの国土になっている地には様々な民族が多く往来し、6世紀から定住し始めました。9世紀末には現在のポーランド人の基となるスラヴ系諸部族が一体化して、ポーランド公国を創りました。建国と共にスラヴ系の民族が一つの言葉を使えるようになり、ポーランド語が生じたと見られます。
歴史的な場面から見れば、下記のポーランド語発達段階が区別されます:
‐古ポーランド語(5世紀〜16世紀)
‐中期ポーランド語(16世紀〜18世紀)
‐現代ポーランド語(18世紀〜現在)
最初のポーランド語の記録された文書は約1270年に書かれており、南ポーランドにあったシトー派修道院の年代記にあった
「Day, ut ia pobrusa, a ti poziwai」という簡単な文書ですね。
現在のポーランド語に訳すると:
「Pozwól, że ja będę mełł, a ty odpocznij」という形になります。
日本語に訳すると下記の意味に近いです:
「粉ひきを私に任せて、そして、あなたは休んでください。」
このポーランド語文書を見ると、昔からどのように変わってきたか分かると思います。

現在、ポーランド語を話す人の数は全世界で約5000万人いるらしく、3800万人はポーランドに滞在、その他はアメリカ、カナダ、ブラジル、ロシア、ドイツ、イギリスなどで、つまり海外で住んでいるポーランド人やポーランド人の祖先です。
ポーランド語の標準語はありますが、地方によって方言もいくつかあります。基本的に下記の方言区別がされています:
‐カシューブ語
‐ヴィエルコポルスカ方言
‐マズルク方言
- シレジア語
-マウォポルスカ方言
- 新混合方言(第二次世界大戦後に獲得した領土の方言)。

ポーランド語の文字はラテンアルファベットを基にする32文字からなりますが、その中でポーランド語でしか使われてない補助記号を用いた9種類の文字(Ą ,Ć ,Ę ,Ł ,Ń ,Ó ,Ś ,Ź ,Ż)があります。また、Q, V, Xは外来語のみに用いられます。そういう珍しい発音と表音式綴りがポーランド語を勉強する人に難しいと思いますが、実はポーランド人にも難しいのですよ!例えば下記の早口言葉では失敗してしまうポーランド人もいます:
Chrząszcz brzmi w trzcinie w Szczebrzeszynie.
「クションシュチュ・ブジュミ・ヴ・チチニェ・ヴ・シュチェブジェシニェ」
聞き取れない音が多いでしょう。

また、ポーランド語の文法は非常に複雑です。簡単に紹介すると、名詞、形容詞と代名詞は男性・女性・中性の三つの種類に分かれており、単数と複数それぞれが区別されて、格変化によって語尾が変化し意味が変わります。動詞は活用し、屈折とは性,数,人称,時制の文法的機能に対応する語形変化します。常にポーランド語は日本語と違っている文書語順の言語で、日本語だとSOV*という形になって、動詞は文書の最後に来ますが、ポーランドは基本的にSVOという語順に従いますのに、文中での語の働きが自由性の高い傾向もあります。

これだけ聞くとポーランド語は難しく見えるでしょう。現に世界で最も難しい言葉の一つだとよく言われています。挑戦してみませんか。

今日はここで終わりますが、また今度文法のことや簡単な挨拶を導入したいと思います。

それでは、また!
ハンナ

*SOV⇒SUBJECT:主語、OBJECT:目的語 、VERB:動詞
ポーランド語1
ポーランド語2

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