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SF商法

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年1月1日更新

春はSF商法の季節です
泣き寝入りしないでおばあちゃん

例年、上山市に桜が咲く季節になると、やってくるものがあります。
県外ナンバーの白い商用バンやワゴン。中にはたくさんの雑貨品を積み、ちょっと人相の悪い男達。当市は共働き率が高く日中高齢者世帯になることをその男達はよく知っています。
その日も、春らしいとても陽気のいい日でした。町内に県外ナンバーのワゴンが3台、中にはやはり、ちょっと人相の悪い男が数人乗り込み様子を伺うように流しています。午前10時を少し回った頃、頃合のいい車庫を見つけた男達は、そのお宅に伺いました。中にはおばあちゃんが一人。男達はそれはもう親切に丁寧に話しを切り出しました。「うちは××販売という会社なんだけどね、実は新しい商品を開発したんですよ。今日はその宣伝に山形に来たんだけどね。このおばあちゃんちの車庫、とっても場所がいいんだよねえ。半日だけ、貸してもらえないかなあ。絶対迷惑はかけないよ。もちろんお礼するからさ。半日で一万円」半日で一万円。年金暮らしのおばあちゃんにはちょっといい小遣い稼ぎです。日中なら息子と嫁もいないし黙ってりゃわかんないよね、と貸してしまいました。
その後男達は町内にチラシを配り始めました。「本日午後1時より日用品プレゼント!このチラシを持参の方のみ豪華プレゼント!○○さん宅車庫にて開催」平日の昼日中。町内のほとんどが高齢者です。男達は高齢者にばかりチラシを渡します。たまに若い主婦が通りかかっても知らんふりです。その上男性が通りかかるとその男達は逃げるように場所を変えてチラシを配っています。
正午を回る頃、車庫を貸したおばあちゃん宅へ男達は戻ってきました。するとどうでしょう。男達は、ワゴンから青い大きなシートを出すと車庫の出入り口を塞ぎ、通りからは中が見えないようにしてしまいました。午後1時近くになると車庫の前は町内のおばあちゃん達でいっぱいです。男達はそのおばあちゃん達に親しげに話し掛けながら車庫の中に順番に入れました。狭い車庫の中に20人近く集まったでしょうか。中はすし詰め状態です。
午後1時になりました。男達はすばやくシートで出入り口を締め切り、その前に立ちはだかりました。そして集まった人たちを5~6人で囲みます。「今日はこんなにたくさんの人がわが社の新商品のために集まってくださいました!皆さん、プレゼントは好きですか!?」集まった人たちは巧みな話術に乗せられ、おもしろおかしく話すその男にひきつけられました。日用品を無料でもらうために大きな声で返事をさせられたり、誰よりも早く手を挙げさせられたりしていました。
さて、車庫を貸した××さんちのおばあちゃん。車庫の中で何が行われているのか気になって仕方ありません。そんな時、車庫の中にいた一人のおばあちゃんが男に連れられてやってきました。聞くとトイレを貸してほしいというのです。おばあちゃんが案内すると、男は戸口の前に立って終わるのを待っています。まるで見張りじゃないの。おばあちゃんはそう思いました。車庫の中で何が起こっているのだろう。本当は、怖い人たちじゃないのかねえ。そう思いましたが後の祭り。ちょうどその頃車庫の中ではすでに本来の目的である健康食品の販売を始めるところでした。「ここに集まった方々は大変幸福です。万病に効き、長生きできるこの健康食品、本当ならば一瓶38万円するところ、特別に半額の19万円でお譲りしようと思います。さあ、欲しい人手を挙げて!!」それまでの雰囲気にのまれてしまった人たちは、特別、半額、という言葉に冷静な判断が出来なくなっていました。その上それまでずいぶんいろんなものをもらっていたので断るにも断れなくなっていました。一人、二人と手を挙げ、「お買い上げありがとうございます!!」と、司会の男が否応無に場を盛り上げます。その中の一人が、「そろそろ孫が帰ってくるので帰らなきゃ」といって席を立とうとしました。「契約しないと帰ることは出来ません」と出入り口に立っていた男が席を立ったおばあちゃんの腕を掴みました。「そんな・・・」車庫の中の人たちがざわつきはじめました。「おばあちゃん、ものだけもらって帰ろうなんて、あくどいんじゃないの?」それまで親切そうにしていた男達が豹変しました。その後は一人一人購入する意志があるのかないのか詰問され、購入しないと言うと、もらったものをおいて出て行くように指示されました。購入するといった人は一人一人男に付き添われ契約書に記入させられました。
そして午後4時。新商品の宣伝会は終了しました。「おばあちゃん、どうもありがとうね!」男は車庫を貸したおばあちゃんに約束どおり一万円を渡し、車庫を片付けると乗ってきたワゴンで帰って行きました。「何か悪いことしたんじゃないといいけれど・・・」おばあちゃんは渡された一万円を握り締めていつまでもワゴンの去っていった方角を見つめていました。

上記の例は典型的なSF(催眠)商法です。今までは、「物だけもらって帰るから」と気軽に参加していましたが、不況のあおりか、、業者はかなり強引になっています。中には暴力を振るわれ契約させられた方もいます。行かない、場所を貸さない、見かけたら警察や近くの消費生活センター等に通報することをお勧めします。また、万が一契約させられたらなるべく早く相談して下さい。契約から8日以内であればクーリングオフも可能です。決して、泣き寝入りしないで下さい。