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令和8年度 上山景観探険まちあるきレポート~温泉町編~

令和8年度 景観探険まちあるき~温泉町編~を開催しました

温泉町、城下町、宿場町の3つの顔をもつ上山市。

令和8年度はそれぞれのテーマを元にまちあるきを開催しました。

山形県景観地域づくりアドバイザーの熊坂講師ご案内のもと、約50人の参加者と一緒に上山城周辺の、まちの魅力を再発見することができました。

① ② ③

その中でも、5月開催の温泉町編を”まち部の大下由美さんから”レポートしていただきました!!

令和8年5月30日開催 第1回「うきうき!上山 景観探険まちあるき~温泉町編~」レポート!!

今回の温泉町編では、上山城第一広場をスタートし、チャレンジひろばZERO・お試し居住施設→栗川稲荷神社→松山御殿→澤のゆ→春雨庵→石崎神社→二日町共同浴場を巡るコース。

参加者はいつも30名程度ということですが46名と多くの方が参加されていました。市内・市外と約半々で、市外は山形市などの近隣から鶴岡市や新庄市など遠方からも参加がありました。
天気にも恵まれて、まさにまちあるき日和!「みんなスゴくいい笑顔をしていますね~それ見るだけでも楽しいでしょ」と熊坂さんもニコニコと楽しそうに話されます。

第一広場からの眺めが良いのは柵に工夫があるからと、景観の取組について説明がありました。
熊坂さん
           上山城第一広場からの景観について解説する熊坂講師

上山城から三島坂を下ってくると、今年3月に閉館した上山市働く婦人の家があります。
その近くに石碑があって、側面に「上山市役所跡」「南村山郡役所跡」と記されています。
石碑

存在は以前から見ていて、あぁ昔ここに役所があったのね、と思っていましたが、実は栗川稲荷神社の参道にある「敷石供養碑」とつながりがあったのです。
参道の途中、供養碑があるところから足元が切り石に変わりますが、供養碑の裏には「この敷石は80数年の間、南村山郡役所、上山市役所の礎石となっていた」ことが記されていると。
つまり、市役所が現在の場所に移転する時に、礎石に使われていた石をここに運んで参道の敷石にしたことがわかります。
鳥居 石碑
熊坂さんは当時の方々を「石を捨てずにみんなで協力して再利用した。大したもんですよ!こんな大事なことは覚えておいてくださいね」と讃え、
「今あるものを活かして使うことはまちづくりの基本」であることを力説されていました。
普段何気なく通り過ぎてしまいますが、まちなかにある石碑には昔あった出来事や功績を記録し後世へ伝えてくれる役割を持っていると、改めてわかりました。

栗川稲荷神社を後にし、松山御殿へ向かう途中の道。「ここもいいところでしょ」と熊坂さん。
右から三吉山(さんきちやま)、蔵王連峰、上山城と3つ同時に見ることができ、市内でもなかなかないスポットだそうです。
空は雲一つなく山もきれいに見え、みなさん写真を撮られていました。

熊坂さんは「景色を見るにはとてもいい場所なんですよね。みんながここに来ていいなと思ってくれることが大事」
「仮にベンチを置けばすぐ景観スポットができるのでは。だんだんまちが良くなってきますよ」とお薦めされていました。
途中
             振返って景観を楽しむ参加者

松山御殿は上山藩主が隠居後暮らすため万治元(1658)年に建てられたもので、現在は跡地。
松山台と言われた付近一帯を指します。
松山御殿
                松山御殿入り口

歴史家・画家の蔦屋栄三氏が生前描いた作品4点が庭に展示されていて、市民個人の方が管理をされています。
絵画4点
​                松山御殿内庭の様子

庭は普段入ることができないため、貴重な機会でした。
管理者の門馬康夫さんから、下に流れる荒町川がお堀の役割をしていた、お殿様の馬小屋があった、月の眺めが素晴らしい大きい池があって、近くには名前の由来になっている旅館もあることなど、知らなかったことをたくさんうかがえました。
門馬さん
              管理者の門馬康夫さん熊坂講師の様子

休憩のため新湯地区にある共同浴場「澤のゆ」へ。
看板 リジチョウ
      澤のゆ入口前                         NPO法人かみのやまランドバンクの渡邊秀賢理事長​ 

閉場になっていた浴場を再生、令和4年に再オープンを手がけたNPO法人かみのやまランドバンクの渡邊秀賢理事長から、ご挨拶とリニューアル後の澤のゆについてご説明がありました。
市内に共同浴場が4か所ありますが、澤のゆだけが塩素が入っていない、源泉からの掛け流し。
源泉は温度が高いですが水で薄めず、なんと番頭さんの職人技で一晩かけて42度前後に冷ましているそうです!これはぜひ入ってみたいですね。
熊坂さんいわく、まちなかに共同浴場があることは、まちおこしに効果があってとても良いことだそうです。

風呂 駄菓子
              澤のゆの浴場内                               お風呂上りの駄菓子

澤のゆを後にし、近くに春雨庵に向かう「沢庵(たくあん)坂」があります。
市内の上山城周辺11か所の坂道には名称を記した標柱があり、沢庵坂の標柱のそばで、市の職員の方から標柱の新しいデザインのお披露目がありました。
坂道標柱
上山市は坂道標柱の更新を計画していて、今年度は5か所が更新予定。
デザインについてまちあるきのコアメンバー4名と話し合いをしているそうです。
標柱には坂の名前の由来が入っていて、市内の坂は「月待坂」や「袖摺坂」など興味深い名前も多く、名づけの由来を知ることができていいなと思いました。
二次元バーコードも入れて、おすすめビューポイント案内やまちあるきルートマップを見ることができるようにするそうで、まちあるきが楽しくなりますね!
更新された際はぜひチェックしてみたいと思います。

 

沢庵坂を進むと、春雨庵の手前に黒板の塀が見えてきます。
城下町再生志士隊の方々による景観の取り組みで、上山城周辺の各所に見ることができます。
隙間を開けて細長い板が並ぶ箇所があり、一部白色と黄色で塗ってあります。
黒塀


隊長の酒井信一郎さんから「何か面白いことができないかなと思って、ガードレールの方法を応用しました」とご説明があり、なんと角度を変えて見ると白い大根と黄色いたくあんが見えてきました! 遊び心がありますね!
だいこん たくあん
                 左から見る大根                         右から見る沢庵

酒井さん
          黒塀の説明をする城下町再生志士隊​、隊長の酒井信一郎さん

「春雨庵」は、江戸時代に京都大徳寺の僧、沢庵禅師が幕命により配流された時に住んでいた庵です。
現在は県指定文化財になっている「春雨庵跡」に、昭和30(1955)年に復元された茅葺き屋根の建物と、茶人でもあった沢庵禅師を忍んで作られた2棟の茶室、茶庭から成っています。
 春雨庵
              

庵の中には、沢庵禅師の尊像が設置されていますが、熊坂さんからの解説で新しい発見がありました。
『宮本武蔵』を書いた大作家吉川英治氏が原図を描き(小説の中に沢庵禅師が登場するそう)、「新庄まつり」の豪華絢爛な山車の人形を制作する人形師、野川家の初代野川陽山氏が制作していました。とてもリアルに再現されている像なので、そういうことだったのかと納得。
和尚

参加者は敷地内をひと通り見学。茶室の聴雨亭は、山形出身の日本画家石山大伯氏設計、千利休や孫が手掛けてきた茶室の構成要素を踏襲した貴重なもので、管理人の方や参加者で詳しい方が解説してくださっていました。
縁側 茶室
            軒下から眺める情緒あふれる庭園の様子                                  茶室

紫のアザミと、沢庵禅師が気に入っていたと伝わる非常に珍しい白アザミも見られました。
紫 白
            紫アザミ                             白アザミ

沢庵禅師は「たくあん漬け」の創案者とも言われており、江戸時代の分量をもとに、ぬかと塩のみで漬けた昔ながらの沢庵漬けがふるまわれました。
率直な感想、かなりしょっぱいです!
沢庵 
       駅前の観光案内所で販売されている当時味付けを復刻した沢庵

次に訪れたのは、石崎神社。
きゅうりを特別な食材としている神社で、かっぱ神社とも言われ、毎年7月に「かっぱ祭り(かっぱ市)」が開催されています。
そして、鳥居までの長い階段沿いにアジサイが咲くことでも馴染みがある神社です。
石崎神社

熊坂さんが先日下見にいらして驚いたのが、境内の一角にきちんと区画で分けられて、たくさんのアジサイの苗が植えられていたことだそうです。
あじさい 階段
     地区会で植えられた紫陽花の区画                                       石崎神社の階段

参加者でその一帯を見学。三吉山と蔵王連峰が一望でき、ウッドデッキが設置され、椅子も置かれていました。
苗には「WELCOME」と、関係者の名前が記されたプレートも設置され、歓迎の気持ちが溢れています。
石崎地区の方がご自身の苗を地域に提供して始まったことだそうです。
「素晴らしい!みんなで褒めましょう」と熊坂さん。
「景観の極意とは見る場所を作ることで、蔵王連峰は作れないけど、花を植えたり椅子を置いたりとこちら側は作ることができる」と。
「みなさんが来て注目してもらって、場所も喜んでいると思いますよ!みなさんのお近くでも実践してみてください」と呼びかけていました。
アジサイが咲く頃にまた訪れたいですね。
 視点場 フレーム 市報
          最高の視点場                           フレーム効果                    (参考)​市報7月号表紙に掲載 

最後は、荒町川から二日町共同浴場の前を通り、スタート地点へ戻りました。
二日町

熊坂さんからの挨拶で、「自分が住んでいるところがいいと思っていたら、呼ばなくても自然とお客さんが来ます」と締められていました。
まちづくりは、まずそこの住民がまちを好きであることがいちばんですね。
そして再利用できるものは再利用し、景観について素晴らしい景色は作れないから見る場所を作ること。熊坂さんのお話は軽妙で、笑いも多く起こっていましたが、その中にも大事なことを多く教えていただきました。
市外の方とお話させていただきましたが、「上山は坂道や小道が多くて、歩いていて面白い」そうです。やはり、坂が多いのですね。
こういった外の視点からも上山の特徴や良さがわかります。

過去の回や、今回のまちあるきのルートマップを掲載していますので、参考にしてみなさんもまちあるきをしてみてはいかがでしょうか。
きっと新しい発見があります!

集合
ご参加の皆さん、ありがとうございました!!

 

・令和8年度ルートマップ 温泉町編 [PDFファイル/614KB]
             城下町編 [PDFファイル/640KB]
             宿場町編 [PDFファイル/698KB]

・令和7年度 景観探険まちあるきレポート

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大下 由美 (おおした ゆみ)さん

上山市の地域おこし協力隊に着任するため2019年4月に移住。
活動として3年間市内を取材・ビデオ撮影をして映像制作を行う。
退任後も市内に残り、仕事の傍ら市の「かみのやま まち部」に参加。
市民として上山市の魅力や出来事などを伝え続けている。

oosita

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